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まーライオンのいい、かげんブログ
マチパーです。相談支援専門員として働きつつ、個人事業主として後見人業務や福祉経営アドバイザー、業務委託でのオンラインカウンセラーをしています。
社会問題

相談支援専門員の適切な距離感について考える

まーライオンこと、マチパー(11kagen_blog)です。

相談支援専門員のなり手不足が深刻です。

まーライオン
まーライオン
なんとなく「相談員」っていうと、現場から見て「カッコいい」イメージがあったがな…
ライオンちゃん
ライオンちゃん
マチパーさん、ケアマネも若い人がなかなか続かないと聞きますけど、どうして相談支援業務のなり手が少ないのですか?

福祉・介護業界は空前の人材不足に悩まされています。

世間での3Kのイメージが定着したせいもあるかもしれません。

マチパー
マチパー
相談支援業務は、ただ単に3Kだからなり手がいないわけではないのです…

この記事では、ケアマネジャーや相談支援専門員のなり手がなぜいないのか?

雇用問題、働き方、そして取るべき専門性である「距離感」からその背景を

考えていきたいと思います。

地域福祉を担う上で欠かせない相談員の存在ですが、相談員自身、対人援助職で

あるならば人との「適切な距離感」を自覚する必要があります。

マチパー
マチパー
この記事を読み終える事で、対人援助職に必要な自分自身の「距離感」について、考えるきっかけになれば嬉しいです。
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「相談支援」ってどう思いますか?➀雇用問題から考える

マチパー
マチパー
単刀直入に聞きますが、相談員ってどんなイメージがありますか?
まーライオン
まーライオン
なんとなく「相談員」っていうと、現場から見て「カッコいい」イメージがあったがな…
ライオンちゃん
ライオンちゃん
マチパーさん、ケアマネも若い人がなかなか続かないと聞きますけど、どうして相談支援業務のなり手が少ないのですか?
マチパー
マチパー
相談支援業務のなり手が少ない原因の一つに「給与体系」があります。

福祉・介護業界は空前の人材不足に悩まされています。世間での3Kのイメージが

定着したせいもあるかもしれません。

最近では、福祉・介護分野に「処遇の改善を」ということで、処遇改善加算や

特定処遇加算、令和4年10月からはベースアップ加算と、3段階の加算制度が

できました。

◎処遇改善加算…利用者など「直接関わる」現場職員の給与UPを目的とする加算

◎特定処遇改善加算…10年以上勤務している=専門性が高い職員の給料UPを目的とする加算

◎ベースアップ加算…令和4年10月より創設。給料のベースアップを見据えた加算

しかし、処遇改善に関する加算が適用されるのは、令和4年11月現在で「直接処遇」と

言われる現場職員に対してのもの。

マチパー
マチパー
相談支援業務の職員に対しての処遇改善加算は特に設定されていません。もちろん、細かい加算は相談支援業務でもありますが、少人数の相談支援事業所には残念ながら当てはまりません。

つまり相談支援業務は直接処遇業務と違い「処遇改善加算」が当てはまらない

(給与に反映されない)ため、基本給は多少高くても実質的に年収が低く

抑えられる傾向があります。

「相談支援」ってどう思いますか?➁働き方から考える

相談支援業務に携わる人は、現場経験5年に加え一定の有資格者であることが

求められます。

マチパー
マチパー
さらに、通所や入所施設と言った決まった勤務時間やシフト制ではなく時間から時間と言った「日勤」がほとんどです。
ライオンちゃん
ライオンちゃん
日勤だと働きやすそうですけどね?
マチパー
マチパー
普通に日勤の場合ですけどね。事業所によっては「携帯」を自宅まで所持するよう求められたり、働く家族に配慮して夕方や休日を返上して面談するというスタイルが求められる所もあるようです。
まーライオン
まーライオン
俺は休日遊びたい主義なんだ!仕事に縛られるのはごめんだぞ~
ライオンちゃん
ライオンちゃん
相談員というと事務所では「パソコンに向かっている」「電話に出ている」「面談をしている」イメージや、事務所になかなかいないことも多いと聞きますけどね。
マチパー
マチパー
そうですね。調整や同行などで外出する機会が多いので、落ち着いて事務所でパソコンを開けるのは時間外…なんてことも多いですね。
まーライオン
まーライオン
そりゃブラックだろ…
マチパー
マチパー
あと、直接処遇職員だと同じ立場の人が多いのですが、相談員は一人や二人職場というのも多く、大変さを分かち合えない環境であるとも言えます。大きい職場だと良いんですけどね。
まーライオン
まーライオン
なんか煮詰まりそうだな…

「相談支援」ってどう思いますか?➂人との距離感から考える

ケアマネや相談員のなり手が少ない一番の問題は「人との距離感が

うまくつかめない」ということがあります。

ライオンちゃん
ライオンちゃん
それはどういうことですか?

人から頼られると「もっとしてあげたい」という心理が働きます。

でもそれがかえってお互いを依存する「共依存」関係になり得たりします。

マチパー
マチパー
人と人との「適切な距離感」は人それぞれですが、人のココロにずかずかと土足で踏み込むような、電話や対面が頻繁でもいけません。相談員は家族でもなければ恋人や友人でもありません。あくまでも「支援者」という距離感を忘れてはいけないと思います。

でも現実は感情的になったり、母性本能が働いたりして「良くない」方向になる

人も多いのが事実です。「良かれ」と思って支援したことがかえって裏目に出たり

「こんなはずじゃなかった」と責められたり…なんてことが続くと「相談には向いていない」

とココロ折れる人も多くいるように思います。

ライオンちゃん
ライオンちゃん
人との距離感ですか…難しいですね。
マチパー
マチパー
あとは自分の考えが正しいと思い込んで、相手に強要したり指導したりするなんて人も「苦情」という形で帰ってくる場合がありますね。
マチパー
マチパー
あと、私が思っているのは、温泉の「足湯」状態ですね。頭や身体は冷めているけど、足だけは暖かい状態。人付き合いでも、支援関係でもそうですが、長くお付き合いするには「浸かって(関わって)いても苦にならない」そんな関係がちょうどいい、かげんなのではないかと思います。

相談員は「人との適切な関係」を知る職業

対人援助職をしていると、どうしても相手に対し構えたり感情を入れすぎる

ことがあるかと思います。

マチパー
マチパー
人は人、自分は自分。そんな意識が相談員が適切な距離を保ちつつ粛々と仕事を続ける上で必要なスキルじゃないかと思います。
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    マチパー
    マチパーです。相談支援専門員(社会福祉士/精神保健福祉士)をしながら、個人事業主で福祉系アドバイザーや後見人活動をしています。30代で公務員(保育士)を辞め、社会人大学、院に進学した変わり者。座右の銘は「いい、かげん」「みんなちがって、みんないい」