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まーライオンのいい、かげんブログ
マチパーです。相談支援専門員として働きつつ、個人事業主として後見人業務や福祉経営アドバイザー、業務委託でのオンラインカウンセラーをしています。
社会問題

障害を抱える子の親なき後について 相談支援専門員の立場から

まーライオンこと、マチパー(11kagen_blog)です。

「8050問題」が世間を賑わせています。

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この記事を読んでいる人は、そのことに興味を持っている、あるいは耳にしたことがあるはずです。

「実は私の兄弟がそうなんです」「親から『この子の面倒は兄弟である

あなたが見るんだよ』って言われています」という思いを抱えているかも

しれません。

あるいは、福祉を学んでいる学生さんが、レポートのまとめで行き着いた…

なんてことかもしれません。

マチパー
マチパー
この記事では、相談支援専門員として家族支援や当事者支援に携わる私の、専門家としての思いが書かれています。

この記事を読み終えることで「親なき後」というよりは「親が元気なうちに

子どもに身に着けて欲しいこと」が何なのか。

マチパー
マチパー
そして残された兄弟や子どもなど、肉親にとっても「気持ちが少しでも楽に」なってくれればうれしいです。

親なき後の支援や福祉制度について

このタイトルで、近く講演をすることになりました。

https://twitter.com/11kagen_blog/status/1161463140753657856

「親なき後の支援」でよく言われるのが

この子(と言っても40~50、60代)を残して私(親)たちが先に

死ぬわけにいけない

私たちが死んだら誰がこの子の面倒を見ていくのか

この子に少しでもお金を残してあげたい

この子が困らないようにするにはどうしたらいいのか

などなど

マチパー
マチパー
「何らかの障害」を抱えるお子さんを持った親御さんなら誰でも考えることだと思います。
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「親なき後」に備える障害福祉サービスが充実しつつある

障害のある方が共同で住める「グループホーム」や、一人暮らしの

障害のある方に対する見守り訪問を行う「自立生活援助」など、

地域では様々な障害福祉サービスが増えてきています。

https://twitter.com/11kagen_blog/status/1161628103799558144

マチパー
マチパー
「この子は私が守る」といった、親御さんの強い思いから「私達がいなくなっても、この子は人(福祉などのサービス)のお世話になりながら生きていける」と言う気持ちになれば良いのですが…。
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ライオンちゃん
ライオンちゃん
実際、こんな言葉を耳にしたことがありますよ。

親なき後の「親の考え」の例

「この子の兄弟に面倒を見てもらう。家族なんだから当たり前」

「親が障害者の場合、その子どもが面倒を見るのが当たり前」

といった話も多く聞きます。

マチパー
マチパー
「家族だから」といって、残された兄弟や子どもの人生をないがしろにして良いわけがありません。

「この子は何にもできないから」といって、40代でも50代にもなって

食べた食器も片付けない、洗濯もしない、「すべて親任せにしている」家庭。

マチパー
マチパー
驚くかもしれませんが、実際にこういう家庭が多いです。
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親なき後に残される子どもにとって「何が本当に必要」なのか

マチパー
マチパー
「なぜ、身体が元気なのに自分のことを自分でしないのですか?」

と相談員として親御さんに尋ねてみた所

親その1
親その1
「だって、この子は病気で可哀想だから」
親その2
親その2
「親がついていないと何もできないから」

という返事が返ってきたことが、1度や2度ではありません。

親なき後に備え「自分でできることは自分でする」習慣を

マチパー
マチパー
それは「生きていくために」必要なこと。相談支援専門員として思う所です。

もちろん「能力的に難しい」場合は、親御さんや兄弟や相談支援専門員など

他の人が申請や手続きなどを行う場合もありますが

マチパー
マチパー
やはり「生きていくいく上での基盤として」「自分でできることは自分で」やっていくという「意識や習慣」があれば、親なき後もなんとか一人で生活できます。

今までずっと「親任せ」で、いきなり「自分のことは自分でやる」

といっても、最初はぎこちなくて、もどかしくて…

まーライオン
まーライオン
周囲の人がヤキモキしたり、腹立たしく感じることも結構あるんじゃないか?

親御さんの中には

「私がやったほうがよほど早い!」と、結局、何から何までやってしまう

人もいるでしょう。

マチパー
マチパー
でもそれが本当に子供の為になるのでしょうか?
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親御さんは「自分が産んだ子なので一生を見る義務がある」という気持ちがある

しかし、だからと言って「私達が亡くなったら他の兄弟に見てもらおう

子どもなんだから親を見るのは当たり前

と言うのは、「親のエゴ」ではないでしょうか。

マチパー
マチパー
まぁそのことについて批判があることも充分承知の上ですが…

現実的に…親は子より先に亡くなる

それは自然の摂理です。

子ども自身が「困っていることやお願いしたいこと」などを

他人にお願いする」「周囲にSOSが出せる人になる」など、

他人とのコミュニケーションを取る方法を身に着けることが、

「子どもを想う親御さんが行う支援」です。

もし「他人とコミュニケーションを取る方法を知らない」まま

親御さんが旅立ってしまったら…

たった1人で、SOSを発する方法も、自分でできることは自分でする

力もないまま残される」ことになります。

まーライオン
まーライオン
おいおい!そうなったら残された子どもはどうなるんだよ~

最近新聞でもちょこちょこ取り上げられているように、

たった1人残され、生きる術を失う」「気づいた時には一人餓死している

など、最悪の事態になる可能性があります。

ライオンちゃん
ライオンちゃん
それは…返す言葉もありませんね。
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親なき後に備え、元気なうちに子どものためにできることとは?

子どもの事は親が背負うべき」という考えも、ももちろん尊いのですが

自分が○○で困っている」という思いを、例えば周囲で支援をしてくれる人

あるいは通院先の医師やワーカー、看護師さん。

近所の人、友達、SNSなどといったコミュニケーションツールを使いながらでも

「自分から発信する」と言うことをきちんと伝えていけるようにする。

マチパー
マチパー
それが親御さんが子どもにできる、一番の支援ではないでしょうか。

残された兄弟や姉妹、子どもにもそれぞれ「その人の人生」がありますし

兄弟や子供にとって、障害のある子が「足かせ」になってはいけません。

また障害を抱える子にとっても「自分が兄弟に迷惑をかけている」という

負い目を感じるかもしれません。

そういう意味で、やはり親御さんが元気なうちに子どもに伝えることは

・親がまだ生きているうちに「人を頼る」術を子どもに伝え、実践する

・「自分でできることは自分でする」という意識付け

・生きる上で必要な、お役所などに書類を申請する技術を身に付ける

それらが難しいのであれば

・親御さんが早いうちに相談員や行政の人、あるいは第三者の人と

つながりを持っておく

・親御さんの万が一に備え「私に何かあったらこの人に連絡するように」

私がいなくなっても、あなたのことは伝えてあるから。

きっと助けてくれるはず。

という「メッセージ」を日ごろから子どもに伝えておいて欲しいです。

これらは「長年培ってきたその家庭ならではのしがらみ」があるので

すぐに実践できるものではないでしょう。

しかし、親御さんがいつまでも生きているわけにもいきません。

そうであるならば「今、できること」「今、子どもに伝えること」

を一つでも実践してみる。周囲に親御さんがSOSを出す。

マチパー
マチパー
その姿勢こそが子どもの心に響くのだと私は思います。

(お問い合わせフォーム)






    ABOUT ME
    マチパー
    マチパーです。相談支援専門員(社会福祉士/精神保健福祉士)をしながら、個人事業主で福祉系アドバイザーや後見人活動をしています。30代で公務員(保育士)を辞め、社会人大学、院に進学した変わり者。座右の銘は「いい、かげん」「みんなちがって、みんないい」