まーライオンこと、マチパー(11kagen_blog)です。
コロナ禍の影響が、相談支援の現場で大きく尾を引いているのを感じます。
今年度に入ってから明らかに相談支援で増えている傾向…それは「9060問題」
8050問題は世間でも認知されてきていますが、9060問題と聞くとイマイチ
ピンとこない…なんて方も多いのではないでしょうか?
世間では8050問題というけれど
相談員界隈では9060問題の方が
切実なんだよな😟 https://t.co/eLtQkhDDSo— マチパー (@11kagen_blog) June 4, 2022
この記事ではそんな「見えない社会現象」である「9060問題」に焦点を当て
なぜ8050問題でなく9060問題なのか?9060問題になるとどのようなことが
問題となるのか。成年後見人と相談支援専門員である私、マチパーが解説
してみました。
この記事を読み終える事で、近所に住んでいる「片親と子ども」の9060家族
について「もしかして…」と関心を寄せるきっかけになれば嬉しいです。
そもそも「9060問題」とは
コロナ禍の影響が、相談支援の現場で大きく尾を引いているのを感じます。
今年度に入ってから明らかに相談支援で増えている傾向…
9060問題。「90代の親」(大体母親)に60代の子ども(大体息子)が、
世間から何らかの理由で孤立したまま住んでいたけれど、「あること」がきっかけで
表面化した家庭のことを言います。
ほぼ「救急搬送」が世間に「9060問題」が発見されるきっかけと言えます。
その他にも多いのは、包括支援センターのケアマネや社会福祉士さんとか、
精神科病院のワーカーとか、訪問看護とか、民生委員など、ありとあらゆる
機関や人であることが多いですね。
8050問談よりも切実な9060問題
➀90代の親に残された時間がない
日本人の平均寿命よりも長生き傾向になる90代。長年世間から孤立して生きている
その家庭に「もう一度60代の子どもと暮らす」のはほぼ不可能と言えます。
なぜなら、家庭環境が崩壊し健全な生活を継続することができていたのであれば
そもそも「火事」や「救急搬送」などされることはないわけであって…
➁子ども自身介護保険の年代になってしまう
60の子どもは、引きこもりの場合多くは適切な支援や受診を受けていない
場合がほとんどです。
何らかの事情で世間に明るみなってしまい「これから一人で生きて下さい」
と言われても100%そんなことはできません。そうなると、何らかの福祉の
サービスを受ける必要が出てくるのですが、知的障害や精神障害の疑いが
あっても、あくまで「疑い」であって、証拠となる受診歴や検査歴、過去を
さかのぼろうとしても通知表や成績表など見つかるわけもありません。
また、60代半ばになると「介護保険」が優先になるので、何らかの支援を受ける
にも「介護保険」で非該当だった場合に限ります。
➂協力して下さる家族(兄弟など)も高齢になり、必要な支援が期待できない
運よく「しっかりしたさんが近くに住んでいる」場合もありますが、世間から
孤立していた家庭では「数十年も家族に行き来がない」場合が多いです。
また、兄弟自身家庭の事情で自分の家族の世話ができない場合や、自身の病気
などで「見たくても見れない」場合が多いのが現状です。
➃60代では障害者グループホームなどの入所施設も(介護が近いこと)で順応しにくく、断られることも多い
今まで「閉鎖的な」でも「安心できる」自宅という砦にいた60代の方にとって
いきなり「もうあなたは自宅に帰れません」「あなたの住む場所はホームです」
と言われたらどうでしょう?
きっと混乱して収拾がつかなくなってしまうことでしょう。
万が一「ホームで暮らしていきたい」と思ったとしても、実際にすぐ介護が必要になる
場合もあるでしょう。そうなると「希望はしたけど受け入れ先がない」状態になって
しまいます。
9060問題を未然に防ぐには?
おひとりさまの終活の進め方は?50代60代からできる準備を生活研究家・阿部絢子さんが回答(ハルメクWEB) https://t.co/v4yUpLySd7
— マチパー (@11kagen_blog) May 30, 2022
人は見たくもないものに対して蓋をしてしまったり、見て見ぬふりをしたり
困難なものを避けようとする場合が多いです。
また家族であればある分、長年の蓄積や家族の怨恨で「関わっても無駄」という
意識が働きやすいのも事実です。
でも、そういった家族問題は放置すればするほどどうしようもない方向に流れていき
ついに世間の明るみに出る頃には、取り返しのつかない問題に発展してしまいます。
(お問い合わせフォーム)